『ビル・ミラーの株式投資戦略』を読んで

Value vs Growthをより深く理解する上でとても参考になった。ちょうどこの本を読んでいる時にHoward Marksのメモ読んだので尚更だった。Value Investorは急成長企業を毛嫌いしがちだが、本質的にはValue以下のPriceを探すのがValue Investingの基本であり、よりそれに忠実になるべきだと改めて理解した。

 

  • 「チャーリーマンガーは、初期の投資において、あらゆる投資状況を徹底的に調べ上げ、掘り出し物、みんなが見落としてい可能性を手に入れることにエネルギーを費やした。後年、マンガーは投資手法を変えた。大幅な割安株を買うと、成果を上げるまでに長期間を要することになり、精神的な負担が大きいと判断し、少し高いコストを払っても、しっかりしたものを買い、大きな投資が損なわれることを心配することなく、ぐっすり眠ったほうがましだと考えたのである。」⇒これは確かにそうで、割安株を買うことはトレンドが大きく変わるまでの間においてかなりの我慢が必要になるとともに、意外とアップサイドが小さい場合もある。
  • 「ベンジャミングレアムは…明確で、人に頼らない思考方法を行うようにと教えていた。人の予想を真に受けるな。新聞の経済欄を見ただけで投資をするな。直観に頼るな。自分がやるべき作業をきちんとやっておけ。客観的な考え方を身に着けろ。投資家同士で情報交換するのはよいが、学ぶ相手には注意しろ。みんあと同じ行動からは庭訓的な結果しか得られない(あるいは、それよりひどいことも多い)。」
  • プラグマティズムのミラーが絶対的な基準を信奉することはない。注目するのは結果である。彼は、実際に機能するやり方で考え、行動することを好む。これは投資に限らず、人々が目標に到達することに役立つやり方である。」⇒プラグマティズムについてもう少し学びたいなと思った。
  • 「グレアムが大好きだった数学の分析について、ミラーは他のバリュー投資家ほど重視していない。投資家は過去の数字を使う前に、過去の実績が将来の売り上げや利益とどのように結びつくのかを考えておくべきだとミラーは説明する。…『技術的に見て、過去の数字を使うことには弱点があります。結局のところ、株の価値は100%将来が決めるのであって、過去は関係ないのです』」⇒とても大切な考え方。過去の数字の延長で考えすぎる自分の傾向を改善する必要がある。
  • 景気循環の銘柄の多くは、他社製品との差別化ができない汎用品を扱っていて、価格決定力を持っていません。そういう企業は、利益見通しを立てにくく、利益やキャッシュフローが激しく変動します。他社に対する明確な比較優位を持たず、資本収益率も低い。したがって、設備投資を行い、税金を支払うと、自由に使えるキャッシュはほとんど残りません。企業の利益は大きく変動し、好況期には大きな利益を上げます。しかし、このような株で平均以上の投資利回りを得るには、常に正しいタイミングで売買をしなければなりません。そのタイミングは、事業の価値について慎重に分析・検討することとまったく無関係であり、経済見通しについての思惑と市場センチメントできまってしまうのです
  • 「ハイテクも事業として評価できると私たちは信じています。つまり、本質的な価値を推定できますし、ハイテク分野にバリューの手法を使うことは、グロースを重視する投資家に独占されていて、バリュー投資家が見逃している分野で強みを発揮するのです」⇒この手法で頑張ってみたいなと思った。
  • 「世界をバリューかグロースかと二つに分類してしまうのは賢いことではなく、投資を考えるうえで役に立ちません。グロースはバリューを計算するための入力項目なのです